親鸞 02

 

  静かなる悟りの世界であるはずの仏教の世界。
 しかし俗世間との繋がりを完全に絶つことは親鸞にもできません。
 
  師の法然ですらいろいろあったのですから、親鸞も然りです。
 でも、親鸞たちはなんとか情欲の世界からは一歩引いています。
 
  しかし、それだけではストーリーたりえません。
 そこで、親鸞たちのかわりにそんな欲望渦巻く世界に生きる人々が
 この作品にはたくさん登場します。
 
  まぁ、ほっかいしまうまはこの小説あんまり読んでいない
 のですが、それでも気になるのがこちら、竜夫人(りゅうぶにん)
 
matuko.jpg
 
  最初はもうちょっとすらっとしていたと思うのですが、
 なんか連載が続くうちにマツコデラックスみたいになってきている
 気がします。こんなんだったっけ?
 
  敬愛するお坊様が悲惨な最期を遂げてしまったことから、
 復讐に燃える美女となって帰ってきたという竜夫人。
 
 
  そんな竜夫人が好きで好きでたまらないのが常吉さん。
 
  いろいろと有能なナイスガイです。
 
  まじめなキャラクターだった気がしたのですが、
 そんな常吉さんも山口晃氏にかかってしまえば途端にこんなことに。
 
kitaaa.jpg
 
  キター! いや、北ァァァァァ! ですか。
 
 
  竜夫人にマッサージしてあげるところです。ノリノリですね。
 
 
  そんな常吉さん大活躍の 親鸞 を、ほっかいしまうまは見守りたいと思います。
 
  単行本の方に挿絵は載るのでしょうか? 気になります。
スポンサーサイト

親鸞 01

  

  突然ですが、新聞に載っている五木寛之さんが書いている小説の記事です。
 
  
 一応、以下、ウィキペディアから抜粋です。
 ---------------------------------------------------------------------------------
 五木 寛之(いつき ひろゆき、1932年9月30日 - )
 は、日本の小説家・随筆家。作詞家としての活動も多い。
 
 
 「蒼ざめた馬を見よ」という作品は「人間の、人間に対する差別、
 人間に対する侮辱、残酷さ、(略)それを描こうとするあなたの
 文学を読んでいると、ものすごい未来を感じるんだ」(羽仁五郎[3]といった賞賛を得た。
 (一部切り取りしています)
 ---------------------------------------------------------------------------------

 
  
  そんな  五木寛之さん が、親鸞という日本史上の重要人物の
 歴史を時代背景と共に書き上げようというのですから、それはもう
 大きなスケールの話になります。
 
  もちろん 親鸞さんと言えば、浄土真宗の始祖です。(祖師って言うの?)
 本願寺を中心とした浄土真宗と言えば、信長の野望シリーズに散々登場している
 あの石山本願寺さんですから、歴史ゲーム好きとしては無関心とも言えません。

 
 
 
  で、ほっかいしまうまはそんなことよりも、挿絵の山口晃さんが大好きです。
 
  最近、お気に入りでたまらないのがこちら
 
tameiki.jpg
 
  名前は無いようなので、ほっかいしまうまは「ため息さん」と呼んでいます。
 
 「はぁ…」
 
  と、世の中のため息をつきたくて仕方ない人たちの心を
 代弁し、今日も場面に応じて突っつかれるのがため息さんのお仕事です。
 
  1つ突かれては
 
 「はぁ…」
  
  2つ突かれては
 
 「はぁ…」
 
 何回突いていも
 
 「はぁ…ーはぁ…ーはぁ…ー」
 
  ため息を突き続ける親鸞世界のゆるキャラです。
 
 
  小説の中身はどうなんだって? 

 ほとんど読んで無いのでよく分かりません。
 

短編ミステリー? ケイドル・ストーン館の殺人 03解答篇

 
  かなり前の記事の続きです。
 ミステリーを読んで、すっかりその気になったピンク色のしまうまが
 
 「なんかオレにもミステリー書ける気がしてきた!」
 
  と、勢い勇んで書いたミステリー(…本人はそのつもり)です。
 前の記事を読んでいない方は先日の記事からどうぞ。
 ここから読んでも分けワカメの可能性大です。
 
 
 
  以下、解答篇につき、注意
 ↓
 ↓
 ↓
 ↓
 ↓
 ↓
 ↓
 ↓
 ↓
 ↓
 ↓
 ↓
 ↓
 ↓
 ↓
 ↓
 ↓
 ↓
 ↓
 ↓
 ↓
 ↓
 ↓
 ↓
 ↓
 ↓
 
  アナステシアスは不敵に笑った。
 
 「凶器は分かったかい?」
 
  ここで負けを認めるのはしゃくだが、どうしようもない。
 これから数ヶ月はこの件でアナステシアスに馬鹿にされて過ごすハメに
 なることを考えると、憂鬱だ。
 
 「降参だ、教えてくれ、凶器はなんだい?」
 
 「おそらくバスタオルだ」
 
 「ふざけないでくれ、バスタオルでどうやって人を殴り殺すんだい」
 
 「この冬の寒さを利用して、凍らせたのさ」
 
  …氷の棒を作ったということか。

icetowel.jpg
 
 「外はこの寒さだ、うまく外気を使えばバスタオルを芯にした氷の棒は
 作れるだろう。犯行に使った後はバスタブに捨てればいい、氷は融けて、
 ただのバスタオルになる」
 
 「血がついているだろう?」
 
 「ダニエル老人の身近にあったバスタオルに、殴打のさいの返り血が付いた。
 と解釈されることを見込んでいるだろうね」
 
 「では犯人は?」
 
 「コートニーだ」
 
 「なんだって!?」
 
 「氷の棒の準備、そして風呂の構造の把握、ダニエル老人や他の館の
 住人の行動パターンを全てよく知っている者はコートニーだ」
 
 「ザカイラスの可能性も残っているぞ?」
 
 「確かにザカイラスの犯行の可能性はまだ残っている。
 だが、館のバスタオルを持ち出す、凍らせる。これらを隠す。取り出す。
 館の住人の行動を熟知した上で行動する。これらを一番上手にこなせるのは
 コートニーだ。そして彼女はダニエル老人が死ねば多額の遺産が手に入る。
 そして、犯行の日にはザカイラスという人身御供がいた。
 コートニーは『正体不明の凶器』で隠れ、その上でザカイラスを隠れ蓑に使おう
 としたのだろうさ」
 
 「バスルームには鏡もあるし、場合によっては犯人はそこに自分が映らないように
 動かなくちゃならない。
 入浴しているダニエル老人がドアの方向に背中を向けて入浴することも
 知っていなければならない。
 ザカイラスはダニエル老人と一緒にここで暮らしているわけではない。
 入浴中の親父をしげしげと観察するチャンスもないだろうしね」
 
 
  後日、コートニー嬢は逮捕された。
 警察の発表では、遊ぶ金欲しさからの犯行だったそうである。
 
 
  
  …と、いうのがほっかいしまうまが考えていた事件の結論です。
 「ここおかしくない?」などございましたらコメントください。
 

短編ミステリー? ケイドル・ストーン館の殺人 02

  前日の記事から続いています。
 ミステリーを読んで、すっかりその気になったピンク色のしまうまが
 
 「なんかオレにもミステリー書ける気がしてきた!」
 
  と、勢い勇んで書いたミステリー(…本人はそのつもり)です。
 前の記事を読んでいない方は先日の記事からどうぞ。
 ここから読んでも分けワカメの可能性大です。
 
  


 
 
 
  事件発生から24時間が経過した。
 
 「さて、アーノルド君」
 
  アナステシアスは険しい表情である。
 ベッドのサイドテーブルを動かし、その上に数枚のメモ書きが散らばっている。
 内容は事件に関するものだ。彼なりにいろいろと考えたのだろう。
 
 
 「事件をまとめよう。
 昨晩午後9時ごろ、館の一階からマチスン婦人の悲鳴が聞こえてきた。
 ボク、アーノルド、A B C D E の5人。それとザカイラスが
 悲鳴の出所に向かった。
 
  館の構造、悲鳴の感じからダニエル老人の部屋からのものだと
 誰もが思った。もちろんみんな我先に駆けつけた。
 
  部屋に鍵はかかっておらず、ドア(部屋から廊下にでる位置のドア)
 から身を乗り出したマチスン婦人が青色吐息で倒れ伏していた。
 彼女は『ダニエルさんが、ダニエルさんが…』と口走っていた。
 
  マチスン婦人は部屋の奥を指差していた。
 そこは部屋備え付けのバスルーム。そこでダニエル老人はバスタブに入ったまま
 事切れていた。
 
  そこですぐ警察が呼ばれ、今、我々は重要参考人としてここか出られない。
 
  ダニエル老人の死因は頭部への打撲だと思われる。
 ボクが見た限りでは間違いないだろう。とがったものではない。
 棒状の、かなり頑丈でそれなりに長く、それなりに重たいもの
 で殴られたような跡だった」
 
 「バスルームにあった物は、普通の入浴に使うようなものばかりだった。
 それは私もこの目で確認している。ちびた石鹸、バスタブに浮いていたバスタオル
 ボトルに入ったシャンプーの類…」
 
 「ボクたちが駆けつけた時には、バスルームにそんな頑丈で、
 鈍器になりそうな棒状の物体は見られなかった。誰かが持ち出していないことは保障するよ。
 
  鑑識からこっそり聞いた話しでは、館とその周辺にある凶器になりそうな物を
 全て見て回ったが、ダニエル老人の頭部の傷と照合するような鈍器は見つからなかった。
 それを踏まえたうえで念には念を入れて、形状が合わなくても鈍器になりそうな硬い棒状の物
 全てを調べたそうだ。だがそれらのどこにも血痕を示すルミノール反応は出なかったそうだ。
 
 
  バスルームに誰かが侵入するのは難しいことじゃない。
 密室でもない。マチスン婦人の証言ではダニエル老人は午後7時ごろ、自室で軽い夕食を
 とったそうだから、犯行はそのあとだろう。食器を片付けに行ったところで死体を
 彼女は目撃してしまったわけだ。…関係ないが、彼女は明日付けで通いのメイドを辞めるそうだ。
 
  警察では武器を持って館に侵入した第三者の犯行だと考えているようだ。
 しかしだアーノルド君。今回の殺人事件で一番得をする人物は誰かということを考えよう。
 つまり殺人の動機というヤツだ。
 …人殺しが好きなサイコパスの第三者が突然通りかかったというのは無しで」
 
  
 「そりゃザカイラスさんだろう。彼は早急に財産が欲しい。
 だが、遺産の相続はコートニーさんに決まってしまった。
 ダニエル老人を殺して、そしてコートニーさんからなんとか財産を奪えば
 彼の地位は安泰。愛人も帰ってくるだろうね、金目当てに」
 
 「動機としてはザカイラス氏が怪しいね。彼がダニエル老人を殺したと考えるのは
 おかしなことではない。その上でコートニーを騙すのが早いか、殺してしまうのが早いか」
 
 「よせよ、ジョークになってない。
 …とにかく、殺害方法は鈍器で後頭部を一撃、だろうな」
 
 「風呂に入っているところを後ろから鈍器で一撃か、この館の構造、そして
 ダニエル老人の風呂や部屋の構造、ダニエル老人の行動パターンを良く知る人物。
 殺人犯はこの館によく出入りしていて、なおかつダニエル老人の信頼を得ている者だ」
 
 「さて、アーノルド君」
 
  アナステシアスはその端正な顔をぐにゃりと曲げた。
 笑い顔なのか、人をおちょくっているのか、よく分からない。
 
 「犯人が使った武器、そして犯人を当てて見給え、ボクにはもう分かったよ」
 
 
  アナステシアスはこの事件の犯人が分かったらしい。
 私にはさっぱり分からない。
 
  どう考えれば、これだけの情報で犯人が分かるのだろうか?
 
 
 
  
 
 
 
  とりあえず解答篇はのちほど。
 
 
  たぶん大丈夫なはず…不備等ありましたら本当にごめんなさい。
 
 
  なお、キャラ設定や表現等、一部がイーヴリン・ウォーだかいうおっさんの
 作品のパクリであることをここに白状しておく。
 


 あてんしょん
 当記事コメント欄にはお寄せ頂いた推理が保管されています。(ありがてぇ ありがてぇ)
 「自分の推理を考える!」という方、ご覧になる際にはご注意ください。

短編ミステリー? ケイドル・ストーン館の殺人 01

  突然ですが、ほっかいしまうまもゲームを作りたくなりました。
 面白いゲームって、やってると「自分でも作りたい!作れる!」って
 思うんですよねー、思うんですよー。
  その思い込みの抜けない人がゲームクリエイター目指して…いやいや
 そんな話はどうでもいいのです。
 
  それにいつもいつもゲームを遊んでいるばかりじゃ作っている人に申し訳ないですから
 たまにはゲームを作る側に回ってみようと思いました。
 
 
  別にネタに困っているわけではありません。
 
 
  でも一からゲームを作るのは大変だから、ゲームっぽいものを考えました。
 そこで、ミステリーを考えました。
 
  古き資産家一族、そこで起こる殺人事件!
 
  真相を突き止めよう名探偵! と、そんなことを考えたのです。
 
  
  以下に簡単なミステリーを書いてみました。
 もしもお時間等ございましたらいかがでしょうか?
 紅茶でも飲みつつ、スコーンでもぱくつきながら、ブラウニーも焼きつつ
 ブラックベリーのジャムをたっぷり使ったパイも食べれば中性脂肪で健康診断ぶっちぎり?
 
 
  なお、ほっかいしまうまはイギリスとか言う国のことはほとんど知らないので
 細かい所は空想と妄想と偏見と決め付けとその場のノリとウィキの情報で書いています。
 リアルではこんなこと無いとか言うな。
 (なるべく頑張ってはいますが)
 
  また、このミステリーのトリックはオリジナルではありません。
 かなりあちこちで見たことのあるものです。バリエーションも豊富なようです。
 すぐネタバレしちゃうかもね。
  
 
 
 
 
  それは、起こるべくして起きた殺人事件だった。
 イングランドとスコットランドの境界近く、
 その雪深く、山間深いケイドル・ストーンの館に
 過酷にして凄惨な運命が訪れるのは時間の問題だったのだろう。
 
 
  
  話の始まりは数ヶ月前に遡る。
 私、アーノルド・マクミランがアナステシアスと知り合ったのは
 校内の医務室でのことであった。
 
  アナステシアスは線の細いハンサムとして当時すでに
 多くの学生に知られている存在だった。
 筋肉の少ない華奢な身体、その表情は常に憂いを帯びているように繊細で、
 神秘的とも言えるような雰囲気を持っていた。
 やまねあやのが書く少年をイメージしたらいいかもしれない。
 やなせたかしではない。
 え? 稲荷家房之介の方がいい? しらんがな。

   
 
  だが、彼は決して弱々しい優男ではなかった。
 それを証明するような事件があった。校内でアナステシアスを侮辱したグループがいたのだ。
 アナステシアスはその侮辱を知るや否や、
 グループのリーダー格の学生、リチャードに真っ向から決闘を申し込んだのだ。
 
 (侮辱の内容は、アナステシアスをオカマとか男娼と言って笑ったものであった)
 
  この時代に決闘とはアナクロだと思っていたし、最初は
 多くの学生がアナステシアスとリチャードの「本気」を笑っていたものだった。
 しかし、彼らが真っ向からケンカをした(さすがに素手だったらしい)との話を
 聞いたときは、
 
 「リチャードはともかく、アナステシアスにそんなことができるとは思ってもいなかった」 
 
  というのが多くの学生の口から言葉として漏れた気持ちだった。
 ブライトシェイズ家というそれなりの家に生まれたというアナステシアスは
 一族の誇り、護身術、そして気の強さも受け継いでいたのだろう。
 
 
  私がアナステシアスと知り合ったのは、この時のケンカが元で作った怪我の手当てである。
 医学を修めようとしていた私にたまたま用事があり、教授の元に向かったのは運命だったのか。
 
  ひどく痛めつけられていた彼の手当ては、応急処置というには少しばかりおおげさな
 ものとなった。(決闘の勝敗については彼は答えてくれていない)
 
  アナステシアスと私は年は2つ違ったが、妙に意気投合するところも多く、
 それ以来短い時間ではあったが、良い友人として過ごすことができたと思う。
 
  
 
 
  大学が冬季休校に入るころ、私はアナステシアスから奇妙な誘いを受けた。
 
 「キミに可愛い女の子を紹介してやろう。命をかけてレディを守るナイトになりたまえ」
 
  こいつは一体何を言っているんだと思った。よほど私が呆然とした顔をしていたのだろう。
 アナステシアスは
 
 「あの時のキミの顔は傑作だった、なんど思い出しても笑えるよ」
  
  といらない言葉を付け足して、本題に入った。
 アナステシアスが語った内容はだいたい次のようなものだった。
 
  ボクにはコートニーという名前の従姉妹がいる。年は18。
 両親はすでに他界しており、家族と言えば一緒に住んでいる祖父のダニエルぐらいだな。
 ダニエル老人はなかなかの資産家なのだが、この財産を狙っている輩がいる。
 
  ダニエル老人の子供の1人、ザカイラスという男だ。コートニーの叔父だよ。
 …そうアナステシアスは大見得きって満足げに語り続ける。
 今度、ダニエルの一族が集まるパーティーがある。そこで事件が起こるかもしれない。
 その場に信頼できる人間にいて欲しい。キミにはその信頼がある。
 
  そう言われたのだ。
 不穏な言葉がいくつも出てくることもあり、私の不安は強かったものの、
 私も若かったのだろう。親友の頼みなればと、2つ返事で彼の申し込みを承諾
 したのだった。
 
  
  ダニエル老人が所有するケイドル・ストーン城は、城という名前ではあるが
 18世紀に建てられた小さなカントリーハウスである。観光マップに載るような
 おおげさなものではないし、有名なものでもない。面白い見所も特に無いだろう。
 
  アナステシアス曰く
 「冬は寒く、夏は暑い、維持費ばかりかかる、かび臭いプライドを詰め込んだ倉庫」
 とのことである。
 
  私が館に到着したのは12月20日、午後3時ごろのことであった。
 愛車のリライアント・ロビンがなんとか踏ん張って山道を登りきってくれた
 時は何か崇高なものに感謝する気持ちだった。
 
  館で私を出迎えてくれたのはメイドのマチスン婦人と、喧騒だった。
 玄関ホールまで聞こえるような大きな声は2人分、1人はアナステシアスのようだが、
 もう1人は誰なのだろう。声からして壮年の男性のようだが。
 
 「ザカイラス様なのです」
 
  マチスン婦人は怯えながら答えた。
 
 「ザカイラス様がまた会社を1つ潰したとかで、それでアナステシアス様が怒っているのです」
 
  アナステシアス曰く、彼は一族の鼻つまみ者で嫌われているようだが、
 野心家で、油断できない人物のようだ。
 
  私はとりあえずコートをマチスン婦人に手渡し、騒動の場に向かった。
 マチスン婦人は別れ際に「こんなところ、とっとと辞めたいもんだわ」とつぶやいていた。
 
  私が駆けつけたころには騒動は終わっていた。
 顔を真っ赤にしたアナステシアスと、ステッキを振りかざした姿勢で動かない壮年男性がいる。
 ザカイラス氏は先ほどここに到着したばかりのようだ。
 雪がついた大きなカバンを2つほど玄関ホールに置いたままだし、
 足元を見るとスラックスのすそに雪がついている。
 
 「小父さん、客の前です。無様な恥はさらさないで頂けますか」
 
  壮年男性は私を睨みつけた。
 
 「なんだねキミは!」
 
 「アナシー…アナステシアスの友人、アーノルドです」
 
 「小父さん、彼は私の大事な知人です」
 
 「友人だと? 親父の誕生日を祝う大切なパーティーになぜそんな人間を呼ぶ?!」
 
 「小父さんとて、かつては愛人を連れ込んだそうではありませんか。そうそう、3人目の愛人は
 どうしたのです? 今年は連れはないようですが?」
 
  アナステシアスは勝ち誇った顔でザカイラスを睨みつけている。
 ザカイラスはフンッ鼻を鳴らし立ち去っていく、いらだたしい足音で周囲を威圧しつつ。
  
 「よく来てくれた親友! 時間に来ないものだから、てっきり約束をすっぽかされると思っていたよ」
 
  アナステシアスは先ほどの剣呑な顔とはまったく違う
 顔を私に向けてきた。さきほどの怒りの表情を私にそのまま向けられたら
 どうしようかと思っていたのでひとまずは安心した。
 
 「アナシー、水臭いことを言うな。友人の頼みを断れるものかよ」 
 
 「そうかな、外はこの寒さだ。池の水なんかずっと前に凍ったままだそうだしね。
 キミの愛車のロビンがまともに走るか心配だったのさ。
 …いいかげん、もっとマシなクルマに乗り換えたまえ」
  
 「残念だが、いくら親友の忠告でもそれだけは聞き入れられないな」
 
  私とアナステシアスは彼にあてがわれた部屋に向かった。
 彼はそこでマチスン婦人を呼び、温かいココアを2つ持ってくるように頼んだ。
 
 「今回は、絶対になにか起こるよ」
 
 「憶測でそんなこと言うもんじゃない」
 
 「憶測なものか、ザカイラスの3人目の愛人、エヴァは金の切れ目は縁の切れ目と
 彼を捨てたのだかね」
 
 「金が無いのか?」
 
 「すっからかんさ、それどろこか借金が借金を呼び、ザカイラスの家の財政は火の車だよ。
 遺産相続までたぶんザカイラスは待てないね。本来ならパーティーに出るよりも
 自己破産の準備をしたほうがいいぐらいだ」
 
 
 
  夜の7時から夕食とのことであった。
 マチスン婦人に呼ばれて食堂へ赴く。
 その夕食の席にはザカイラスも当主のダニエルもいなかった。
 面倒くさいから他の親戚たちはAさん Bさん Cさん Dさん Eさん としておく。
 まぁアルファベット一文字の人物は事件には関係ない。
 ついでに言うとコートニー嬢もいて、食卓についていた。
 
  話は遺産相続のことで持ちきりであった。
 誕生日そのものを祝ってやろうというヤツはいなかったようだ。
 
 「彼らは資産家の誕生日を祝う気にはなれないのさ」
 
  アナステシアスはにやりと笑った。
 
 「他人が食わないければ、自分が余計に食えると思ってる」
 
 
 
  その後、重大な発表があると各部屋に言伝があった。
 ダニエル老人の遺産相続に関して、公証人のアルフレッド・バーラー氏
 から説明があるとのことであった。
 
  ダニエル氏はいなかったものの、公証人のアルフレッドによれば
 財産の大部分、有価証券、不動産、骨董品や美術品は全てコートニーに相続される。
 とのことであった。コートニーが子孫を為すことなく亡くなれば、その時こそ
 ザカイラスが財産を受け継げる。ということになっているようだが、寿命を考えると
 ザカイラスは父の遺産の恩恵を受けることはできないだろう。
 
 
  その後、アナステシアスの不吉な予言が的中した。
 夜の9時ごろだったと思う。館の一階の方から女性の悲鳴が聞こえた。
 メイドのマチスンの声である。
 
 「行くぞアーノルド! まさか本当に起こるとは!」
 
  アナステシアスが憤怒の形相で部屋に飛び込んできた。
  
 
  続く
 
  (短くできなかった…すみません)
プロフィール

ほっかいしまうま

Author:ほっかいしまうま
北海道出身のしまうま。
ほっかいしまえびと一緒に水揚げされた。
なんか古いテレビゲームが大好きらしいよ?

最新記事
反響のあった記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
おしらせ
テーブルトークRPG
RSSリンクの表示
リンク
相互リンク募集中!!
お気軽にドゾー
QRコード
QR
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

広告
ゲーム・古本・DVD・CD・トレカ・フィギュア 通販ショップの駿河屋

レトロゲーム販売 通販ショップの駿河屋

新品/中古ゲーム販売 通販ショップの駿河屋